活動・調査報告

HSI科目「北大フィールドサマースクール」を開講

サステイナビリティ推進機構SDGs事業推進部門は、Hokkaido Summerインスティテュートにおいて、学生・社会人等を対象とした科目「北大フィールドサマースクール」を、6月27日~29日に開講しました。本科目には事前に履修登録を行った社会人及び北海道大学の学生12名が参加しました。本科目では、札幌キャンパスでガイダンスとの講義を行った他、苫小牧市、余市町及び仁木町でのフィールドワークを行いました。

6月27日(金)には、受講生たちは北海道ワイン教育研究センター棟で、サステイナビリティ推進機構 加藤悟 教授のガイダンスと講義を受けた後、北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林長 中村誠宏 教授及び農学研究院 曾根輝雄 教授の講義を受け、センター内の見学を行いました。受講者たちは、北海道大学が広大なフィールドを活かした研究・教育を行っていること、学内外のステークホルダーと協働し地域の課題解決に貢献していること、そしてこうした活動が社会貢献を指標にしたTHEインパクトランキングで高い評価を得ていることなどの説明を受けました。

6月28日(土)には、受講生たちは北海道大学苫小牧研究林を訪問し、森林資料館・森林記念館の見学を行いました。午後には、受講生たちは、苫小牧研究林の林内にバスで移動し、苫小牧の地質の特徴や研究林内で実施している調査・研究の紹介を受けました。その後、受講生たちは3つのグループに分かれ、毎木調査をベースにした樹木の胸高直径の測定と樹種の判定のワークショップに参加しました。受講生たちは、一連の受講内容を受けて、自然の力を利用して生態系と人間いずれにも利益をもたらす方法で社会的課題を解決するという「ネイチャー・ベースド・ソリューション(Nature-based Solutions:NbS)」という考え方を理解し、「モニタリングサイト1000」での生態系調査の理念である「長期間」「広い範囲」で調査することの重要性について学びました。

6月30日(日)午前、受講生たちは北海道大学余市果樹園を訪問し、ワイン用のブドウ、ハスカップ、りんご等が栽培されている様子を見学し、ワインの品質分析機を用いて発酵具合を確認していることを学びました。午後には、受講生たちはNIKI HILLsワイナリーを訪問し、中澤一彦 氏からワイン用ブドウの栽培、醸造工程の見学をおこないました。受講生たちは一連の施設見学を経て、ワインには単なるお酒としての魅力だけではなく、北海道が誇る各地の食や、地域の観光資源をつなぎ、地域に人を惹きつける力を持っており、ワインが北海道の地域の持続性を高める鍵となっていることを学びました。

サステイナビリティ推進機構は、今後も学内外のステークホルダーと連携し、「持続可能な社会」の実現につながる教育・研究の取組・発信を更に進めていく予定です。

HSI「北大フィールドサマースクール」概要

  • 開講期間: 2025年6月27日~29日
  • コース : グローバル・リベラル・アーツコース
  • 対象  : 学生・社会人等
  • レベル : 学部
  • 授業形態: 対面のみ
  • 担当教員: 加藤 悟 教授 (サステイナビリティ推進機構)
          曾根 輝雄 教授 (農学研究院)
          中村 誠宏 教授 (北方生物圏フィールド科学センター)
          中澤 一彦 氏 (NIKI HILLS ワイナリー) 
ガイダンスを行う加藤教授
講義を行う中村教授
北海道ワイン教育研究センター棟の紹介を行う曾根教授
苫小牧研究林でのフィールドワークの様子
余市果樹園でのフィールドワークの様子
NIKI HILLs ワイナリー訪問の様子
集合写真(苫小牧研究林)
集合写真(余市果樹園)
集合写真(NIKI HILLS ワイナリー)