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「北海道の未来の地域公共交通を考える!」で北海道大学工学研究院の萩原亨教授と髙橋翔准教授が講義を実施

公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)主催「北海道の未来の地域公共交通を考える! 『寒冷地』×『自動運転』×『エネルギーの地産地消』講義・ワークショップ」の第3回が2月8日に札幌市で開催され、北海道大学工学研究院 土木工学部門 先端モビリティ工学研究室の萩原亨教授と髙橋翔准教授が「寒冷地・雪道にて求められる自動運転技術要件」と題して講義を行い、約20名が受講しました。

まず萩原教授は、自動運転システムが作動する前提となる走行条件「ODD(Operational Design Domain:運行設計領域)」についての説明を行い、これらすべての走行条件を満たすことで自動運転システムが正常に作動することを説明しました。そして、北海道のような寒冷積雪地においては「雪氷路面」「視界不良」「路肩の堆雪」の3つが大きな課題になっていることを、それぞれの具体的な事例を紹介しながら説明しました。また、今後、自動運転車両を導入するためには、使う側の人間がこうしたシステムに順応していく必要があるのではないか、と話しました。

次に高橋准教授は、令和2年度から4年度に北海道で行われた「積雪寒冷対応システム検討会」で出された「積雪寒冷対応システムの構築に必要なこと」を紹介しました。積雪寒冷対応システムの構築には「積雪寒冷下の状況がわかるデータプラットフォームの構築」「⾃動運転技術や通信技術の実証試験場所の提供」「⾃動運転技術の開発に向けた企業・団体同⼠の連携体制サポート」「⽀援・補助策について、⾏政と⺠間のリスク分担」の4つが必要と述べました。中でもデータプラットフォームの構築の動きとして、路面の積雪状況のモニタリングするために、ダイナミックGIS的な地図上での俯瞰とデジタルツインによる先読みや、車載システムといったハードウェアの実装、道路空間モニタリングによる路面判別や視界判別などの定量化などの実証実験が行われていることを紹介しました。

最後に講師への質疑応答の時間があり、参加者からは「降雪時の視界不良が、データの集積や解析技術などでどのくらい改良できるのか」「実際に自動運転車両を走行する際、大小様々な雪山・人・動物などをどのように判別するのか」「海外の積雪地で自動運転車両を導入した事例はあるか」といった質問が出され、萩原教授、髙橋准教授は丁寧に返答しました。

萩原教授の講義の様子
講義を行う萩原教授
講義を行う髙橋准教授