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「道産ダケカンババットから始まる未来 ー国産バットの魅力と森林資源循環の意義ー」にカーボンニュートラル推進部門長 石井教授等が登壇

北海道大学大学院工学研究院バイオマスコミュニティプランニング分野は、ロバスト農林水産工学研究開発プラットフォームによる企画及び土木学会環境システム委員会の共催のもと、公開シンポジウム「道産ダケカンババットから始まる未来 ー国産バットの魅力と森林資源循環の意義ー」を10月17日に、北海道大学獣医学部講堂で開催しました。本シンポジウムには、サステイナビリティ推進機構カーボンニュートラル推進部門長 石井一英 教授、北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション北管理部長 吉田俊也 教授等が登壇しました。

木製バットはかつて道産アオダモ製の需要が大きく道内で関連産業が発達しましたが、資源の枯渇によって北米産メイプル世界市場を席巻し、国内産業の規模が縮小した経緯があります。北海道大学と北海道立総合研究機構を中心に、ロバスト農林水産工学研究開発プラットフォームでは、北海道で資源が多いダケカンバをアオダモの代替材料としてバットの素材として提案しました。さらに、利益率が高い商品となるよう、生産者から消費者に至る流通過程の追跡調査に基づいて、その収益性と消費拡大のための安定的な供給体制の確立を目指した循環的な育成について検討しています。バットの継続的な需要があれば、バット以外の用途への展開供給も期待できます。また、成長サイクルが比較的早いダケカンバを従来の樹種(アオダモ)と組み合わせることで、計画的な伐採と育林などの森林管理及び人工林による育成体制が構築され、林産資源の安定的な供給体制の確立が可能となります。

本シンポジウムでは、プロジェクト活動の取り組みやそれぞれの視点から見た道産ダケカンバ利用の意義、ダケカンババットの魅力について取り上げました。森林資源の有効活用によるサーキュラーエコノミー、脱炭素、ネイチャーポジティブについて考える機会となりました。

概要

  • 日時:2024年10月17日(木)13:30~17:00
  • 場所:北海道大学獣医学部講堂(札幌市北区北18条西9丁目)
  • プログラム:
    • 開会挨拶・趣旨説明
      石井 一英
      (北海道大学工学研究院 教授/カーボンニュートラル推進部門長)
    • 基調講演「ダケカンバ:持続的に育成できる広葉樹資源」
      吉田 俊也
      (北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 教授、森林圏ステーション北管理部・部長)
    • 基調講演「道産ダケカンババットの特徴」
      秋津 裕志
      (北海道立総合研究機構林産試験場 性能部構造・環境グループ・専門研究員)
    • パネルディスカッション第1部
      「国内森林資源利用によるサ ーキュラーエコノミーと脱炭素化、ネイチャーポジティブ」
      • モデレーター:石井一英
      • パネラー:吉田俊也、秋津裕志、寺田宏(北海道水産林務部林務局・部長)
    • パネルディスカッション第2部
      「道産ダケカンババットを魅せる」
      • モデレーター:加藤 博之(北海道大学工学研究院 准教授)
      • パネラー:
        岩瀬崇典
        (株式会社 白惣・取締役)
        田畑広樹
        (北海道札幌南高校野球部・監督)
        石黒凌
        (日本製鉄室蘭シャークス・主将(外野手))
        今田裕一
        (北海道大学野球部・コーチ)
        藤原健祐
        (北海道大学野球部OB(内野手)、北海道大学工学院 先進材料ハイブリット工学研究室・M1)
        和田侑万
        (北海道大学野球部OB(外野手)、北海道大学工学院 光物性工学研究室・M2)
        松坂恭平
        (HAKUSOH BAT JAPAN・ブランドディレクター・セールスマネージャー/株式会社 ONE4ALL・代表取締役社長)
      • 閉会挨拶
        古市 徹
        (北海道大学工学研究院 バイオマスコミュニティプランニング分野・客員教授)
公開シンポジウムの様子
パネルディスカッションの様子
挨拶を行う石井教授
基調講演を行う吉田教授

※photo by Taichi Watanabe