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「炭素会計アドバイザーセミナー」を開催

3月19日(木)、一般社団法人炭素会計アドバイザー協会及び北海道大学サステイナビリティ推進機構は、環境省北海道地方環境事務所の共催、Team Sapporo-Hokkaidoの協力のもと、「炭素会計アドバイザーセミナー」を学術交流会館において、ハイブリッド形式で開催しました。本イベントにはオンラインを含め63名が参加しました。

企業が脱炭素化を進めるにあたっては、自社のみならずサプライチェーン全体から排出される温室効果ガス(以下「GHG」という。)を把握し、削減していくことが求められます。そのためには、GHG排出量の算定、削減目標の設定、具体的な削減策の実施、さらには財務面を踏まえた設備投資の検討や経営方針への反映など、多角的な知識・ノウハウが必要となります。こうした背景を踏まえ、環境省ではガイドラインを策定するとともに、脱炭素に関わる民間資格に合格した者を「環境省認定制度 脱炭素アドバイザー」として認定する制度を設けています。

本セミナーでは、はじめに環境省北海道地方環境事務所の西野雄一次長が、「環境省における脱炭素人材育成の取組」と題して講義を行いました。この中で、日本においては、世界全体での1.5℃⽬標と整合的で、2050年ネットゼロの実現に向けた直線的な経路にある野心的な目標として、2035年度、2040年度において、新たにGHGを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す「日本のNDC(国が決定する貢献)」を2025年2月に国連気候変動枠組条約事務局に提出し、脱炭素と経済成⻑の同時実現に向け、GX投資の加速、GX人材の育成及び地域脱炭素の取組の支援を推進していることが説明されました。

続いて、一般社団法人炭素会計アドバイザー協会の山田英司副理事長が、「カーボンニュートラルへの課題と現状」と題して講義を行いました。環境省の認定制度「脱炭素アドバイザーベーシック」に認定されている「炭素会計アドバイザー3級」の講習内容を基に、炭素会計の基礎について解説し、炭素会計の仕組みを理解した上で、現状把握、目標設定、移行計画の策定といったサイクルを回すこと、さらにTCFDやCDP等の情報開示を適切に活用しながら、自社のGHGを削減していく重要性が説明されました。

最後に、株式会社北海道銀行の多賀公昭サステナビリティ推進室長が、「脱炭素経営への取り組みについて」と題して事例紹介を行いました。日本においても、GHG排出量の開示義務化が見込まれる中、脱炭素の取組が競争優位性の向上やコスト削減といった事業運営上のメリットにつながることを説明し、炭素会計を企業経営に取り入れている企業の具体的な事例が紹介されました。

セミナーの締めくくりとして、サステイナビリティ推進機構の加藤悟教授が、同機構では8月に一般市民及び本学学生を対象とした「炭素会計入門」と題する科目を開講予定であることを紹介するとともに、今後も「脱炭素アドバイザー」資格取得者の増加を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していくことが述べられ、本セミナーは終了しました。

※パリ協定で示された、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をするという目標。