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学生座談会 北大の宿題

環境報告書2017より

教職員には気づかない「北海道大学が改善すべき点」は?それを探るため、3名の学生に“北大の宿題”をテーマに話し合ってもらいました。
本座談会は2017年6月9日に実施。

スーツ姿の少年たち

自動的に生成された説明

西村 一樹 Kazuki Nishimura
医学部医学科4年。北海道岩見沢市出身。弓道サークル「白雲」所属。趣味はフットサル、ピアノ演奏、読書。

山下 渚 Nagisa Yamashita
獣医学部4年。大阪府出身。日本獣医学生協会所属。趣味はお菓子作り、ミュージカル観劇。

福山 健 Ken Fukuyama
工学部3年。神奈川県出身。北大生協学生組織委員会所属。趣味はボウリング、グラフィックデザイン。

このままじゃいけないことは?

北大の「このままじゃいけない」と思うところはどこですか?

西村 移動が大変かな。キャンパスが広いのはいいけれど、メインストリートだけでも端から端まで歩くと20分くらいかかる。教職員にはバスがあるけれど、学生は乗れないし。2つめは他学部とのかかわりが薄いこと。1年次のクラスかサークルで会った人としかかかわっていない。3つめは情報のこと。たとえば北大に「保健センター」*1というのがあって、学生は誰でも無料で使えるそうですが、僕はそのことを4年生になって知ったので。使える施設に関してもっと伝えてほしいです。

白い壁の前に立つ男性

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山下 日常で困るのは、歩道の水たまりが激しすぎる。特に工学部の前は歩けないこともある。それと、キャンパスの南の方は中央ローンも農学部の前もきれいに芝生が整備されているのに、獣医学部のあたりは芝生じゃなくて、うっそうとした森になっているので、もう少し北の方まで整備してほしい。別の話で「新渡戸カレッジ」*2の周知がうまくできていないような……。せっかく卒業生が来てくださって1対1でお話しできるのに、その機会を活用する学生が少ない。留学準備のプログラムと捉えている学生もいるので、成長できる機会をもっとみんなが利用できるようになるといいなと思います。もう1つ、国からのお金が減って人件費が削減されたという話を聞いたんですが、それが教育に影響してくると困るなと思います。

福山 人件費の話ですけれど、友達が「研究室、教授いなくなっちゃって」とか「履修しようと思っていた授業が今年は開講されない」と話しているのを聞いて、ちょっとかわいそうだと思いました。他には、キャンパスの芝生のことで「傷つけないようにして使おう」みたいな話が出て、急にボール遊びなどができなくなったこと。維持費がかかると知って理解はしたんですけれど、学生からすると、経緯を知らされないまま急に禁止されると納得しにくいですよね。もう1つ、北大構内の自転車のこと。スピードを出して乗るのは危ないし、放置自転車は見苦しいので、マナーと言いますか、改善したい。みんながキャンパスを気持ち良く使えるように、なんとかできるといいですね。

課題の解決を考えてみましょう。

どうしたら移動が楽になるでしょうか?

山下 学生の間では「地下にもメインストリートがあったらいいな」という話が出ますね。雨が降っても冬になっても自転車に乗れるし。

病室の男性

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西村 ひさしがあるアーケード・ロードでも十分かな。

福山 地下は自転車だけ、地上は車だけと棲み分けをすれば、事故の心配も減るのかな。

予算があれば、移動の問題は解決できそうですね。では、他学部とのかかわりを増やす方法は?

福山 1年次の基礎クラスに各学部1人はいるけれど、話さない人もいる。僕が仲良くしているのは工学部と農学部だけ。歯学部の人は全然知らないんです。

西村 僕も。そして今日は獣医学部の人と初めて話しました。

山下 知り合いは、人数が多い学部に偏りがちですね。新渡戸カレッジは学部横断のプログラムなので、そこでは交流していますけれど。

たとえば新しい建物に学生の自由空間ができたら、広く交流できますか?

山下 自由に使えるスペースがあっても、知らない人とは話さないかな。

福山先生たちは異分野交流で他学部とかかわりをもつかもしれませんが、学生は難しそう。

ポーズをとっている少年

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人件費削減の問題は学生には解決できないので、教職員に任せましょう。では、情報伝達の話。大学に関する情報は何で知るんですか?

山下 学部棟にある学内掲示とツイッター。ただ、公式アカウントにしたらフォローしなさそう。先生がゼミの学生さんに言って広めてもらうような、口コミの感じにしないと。

西村 僕、今日の座談会は知人にお願いされたので来たんですけれど、知らない教職員に言われても、ちょっと参加しにくいです。

北大にどう貢献する?

北大がより魅力的な大学になるように、自身はどう貢献できますか?

山下 私は新渡戸カレッジ2期生なので、後輩のために道を作っていかないといけない世代なんですよね。将来、社会に出たら、周囲から「新渡戸カレッジ生はいいね」と言ってもらえるように、ちゃんとやっていかないと、と思っています。

福山 僕は「北大生協」*3で活動していて、学生に情報を広めるような役割を果たせれば、と思っています。学生が知らせるからこそ、他の学生が聞いてくれる内容もあると思うんです。たとえば自転車に関して何かルールができた時に、事情や背景も含めて伝えていく。

西村 やっぱり学生なので、さっき話したアーケードは作れるわけがない。だから研究や活動でやるべきことをやる。周囲から「北大生はしっかりしている」と思われるよう、日常生活をちゃんとして
いきたいですね。

工学部と獣医学部と医学部の3人が何か研究開発するとしたら?

山下 動物でも人間でも使える何かを作れそうですね。

西村 福山さんは工学部で化学を学んでいるんですか?

福山 薬学と細胞医工学もですね。

西村 じゃあ人獣共通感染症に関連する研究を。

山下 獣医学部と医学部ならたとえば公衆衛生や食品衛生の分野でかかわってくるので、工学部が加わると、今は人が目で見るしかないところに化学的な検査機器を持ち込んで、数値として表す指標を作れるかもしれませんね。

西村 人と動物の健康にかかわる研究に発展させられそうですね。

期待しています。本日はありがとうございました。

 用語解説

*1:[北海道大学 保健センター]
北16条にあり、風邪など内科の初期治療、熱傷などの応急手当、精神衛生相談、健康診断などを行っています。詳しい利用案内はホームページに掲載しています。

*2:[新渡戸カレッジ]
2013年創設。グローバル人材を育成する特別教育プログラム。学部教育と並行して、豊かな人間性・国際性を育むために取り入れられた各種教育を実践しています。

*3:[北大生協学生組織委員会]
北大生がより充実した大学生活を送れるように、学生目線を生かして活動。組合員の意見や協力を得ながら、自転車点検、共済推進、ごみナビなど、幅広く取り組んでいます。