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つなぐ学生座談会。4カ国の学生・留学生が語り合いました。 -ESD (Education for Sustainable Development) 持続可能な開発のための教育

環境報告書2015より

4カ国の学生・留学生による座談会を2015年6月に開催しました。参加者のうち3名が水に関して学んでいることから、水にまつわる話も含めて語り合っていただきました。

重井 真琴 Makoto Shigei

工学部3年。出身は名古屋市。水工学や水の管理指導を学び、将来は海外で働きたいと考える。趣味は海外旅行、音楽鑑賞など。

カボレ・ウエンドニク・ジョン・スティーブ Kabore Wendkouni John Steve

西アフリカのブルキナファソから。自国の農業発展のために公衆衛生学を研究。趣味は読書で、自身も小説を書く。カンフー歴15年。

リム・アブクメールイーエス Reem Abukumeilas

パレスチナから。水質汚染の問題解決をめざし、公衆衛生、灌漑を研究。趣味は水泳とバドミントン。日本でピアノを習い始めた。

林 京華(リン・キョウカ) Kyoka (LIN, Ching-hua)

台湾国際大学から交換留学生として本学へ 。日本語と日本文化を学ぶ 。趣味 は読書、音楽鑑賞、サイクリング、バドミントン。

Q.1 出身地を紹介してください。

Makoto 私は愛知県の名古屋市で生まれました。名古屋市で有名なものは味噌カツと名古屋城と自動車産業。あまり有名ではありませんが、名古屋空港は日本で一番大きい空港です。

Reem パレスチナはアジア、ヨーロッパ、アフリカの3大陸の交差点にあたり、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教にとって歴史的にも精神的にも重要な場所です。首都のパレスタインには多くの人々がやってきます。私が生まれたガザは地中海に面した静かな場所で、オリーブ、柑橘類、イチゴなどを生産しています。

Steve ブルキナファソは「誠実な人の国」という意味で、言葉通りの国民性を私は誇りに思っています。故郷のワガドグで生産しているのはオリーブ、イチゴ、牛肉。日本では牛肉の値段が高くて驚きました。日本から研究者が来ると暑さを訴えますが、気温は大きな問題ではありません。平和な生活があることが重要です。

Kyoka 台湾には緑豊かな自然があります。私の故郷は中西部のダイチョンで、台湾国際大学は台北、台湾の北部にあります。台湾では雨が多く、特に台北はほとんど毎日が雨です。台湾には15の先住民族がいて、その人たちは独自の文化を守っています。

Q.2 水について語ってください。

Kyoka 水は、公用語の中国語では「シュエイ」、台湾語では「ツィ」と言います。たぶん、台湾語の方が日本人にとって発音しやすいでしょう。台湾は夏、冬、春に雨季があり、6月から8月は台風シーズン、10月、11月、冬もモンスーンのため雨が降るので、水不足で困ることはあまりありません。

Steve 私の母国語はフランス語で、水はeau「オー」、私の部族の言葉では「ユオ」と発音します。ブルキナファソの主な産業は農業と牧畜ですが、地方では水と肥料の確保が難しいという問題があります。これを解決するため、私は人間の排泄物を環境に負荷をかけずに再利用することを研究しています。

Reem アラビア語で水は「マ」と言います。パレスチナの土地の大半は海抜0m以下で、生活や農業に大量の水を使った結果、井水に地中海の海水が浸透して塩分濃度が上昇しています。それで私は農業が引き起こす水質汚染の解決策を研究しています。すばらしいことに日本では、蛇口をひねれば温かいお湯も冷たい水も手に入りますが、洗顔にも歯磨きにもペットボトルの水を買って使う友人がいます。水資源に恵まれているのに、水道水の品質を信用していない日本人がいますよね。

Makoto みなさんご存知だと思いますが、私の国では水は「ミズ」と言います。日本人がペットボトルの水を買うのは、新しもの好きな国民性の一面だと思います。でも、環境から見ると良くありませんね。ペットボトルの水を買わない文化が浸透し、大量消費国家という日本のイメージが変われば、持続可能な未来につながるのではないでしょうか。

Q.3 北大や日本について。

Reem おもてなしは本当に日本の魅力だと思います。私が北海道に来ることを決めた理由は、シンプルな街があり、自然が豊かで、水についてすばらしい研究をされている先生がいたからです。北大では留学生同士は知り合うことができますが、日本人の学生とかかわるチャンスはあまりありませんね。日本人学生の英語力は高く、私たちの英語を理解しているけれど、本当の意味での交流はまだできていないように感じます。

Makoto 私は高校生のときに北大に来て、自然が美しく、研究のレベルが非常に高いことに魅力を感じ、この大学を選びました。実際に入学してすばらしいと思ったのは、日本中、世界中から人々が北大にやってくることです。ただ、北大の学生は大きく2つに分けられると思います。一方は外国人と英語で話すことが好きな学生。もう一方は英語を話すことに自信がもてずにいる学生。私の場合は英語を話す機会がありましたが、多くの学生には機会が少ないようですね。

Kyoka 私は1年間の交換留学プログラムを利用して、北大に来ています。このプログラムでは日本人学生と交流する機会もあるので、他の留学生よりは日本人との交流ができていると思います。交換留学で名古屋や東京に行った私の台湾の友人は「札幌、北大はとても外国人に対してオープンだ」と言っていて、北大はすばらしいと思っています。札幌にいる間に、ぜひウインタースポーツにも挑戦したいです。

Steve 私は来日初日に学内で財布を落とし、お金もパスポートも失って泣きました。ゼミの先輩は「たぶん二日以内には出てくるよ」と笑っていましたが、私にはそれが冗談だとしか思えませんでした。ところが翌日、本当に財布が戻ってきました。お金も入っていました。拾ってくれた男性は「お礼は不要」と言ってくれたそうです。すばらしい!さて、北大は国際的に通用する大学をめざしていますよね?工学部では英語で授業を受けられる特別なプログラムがありますが、他の学部でもそういうプログラムが充実しているわけではないですね。もし全学部で最低1講義を英語で展開すれば、より国際的な大学となるのではないかと思います。

Q.4 日本や北大から持ち帰りたいものは?

Makoto やはり一番は気温でしょうか。私は夏の暑さが苦手で、比較的涼しい北海道の夏は本当に好きです。冬の雪も大好きです。名古屋では雪が降ることはめったにないので、2年前に北海道に来てから、冬には雪遊びを大いに楽しんでいます。

Reem 自転車です。北大に来てから買い物や通学で自転車に乗り始め、サイクリングも楽しむようになりました。北大の先生たちはスーツ姿で自転車を利用することがあたりまえですよね?私の母国では、道が車で混雑していて、エネルギーの問題も抱えています。自転車に乗ることで問題を解決できると思いますので、ぜひ持って帰りたいです。

Steve 1番は北大の行政手続き。アフリカの国では、公的な書類が欲しくて早朝から並んでも、入手は難しい。発展途上国はすべての手続きにおいて時間がかかり、大使館でも役所でも問題を抱えています。2番目は公共交通機関。アフリカではバスがいつ来るのかわかりません。2分後なのか10分後なのか、それとも1時間後なのか、誰にもわかりません。日本では表示された通りにバスが来るのがとてもおもしろいですね。

Kyoka 北大でビックリしたのは、キャンパスの一定のエリアで人々が飲酒していることです。台湾ではそういうことはありません。すばらしいので、このシステムを持って帰りたいです。

Q.5 北大を1語あるいはショートフレーズで表現すると?

Steve 「Hopenvironmental-University」。Hope(希望)とenvironmental(環境の)という2つの単語をつなげました。北大は希望にあふれ環境に優しい大学です!

Reem 「Environment of peaceful mind」。平和な心をもった環境です。

Makoto 「自他魅了」。北大は私にとって非常に魅力的な大学で、学外の人から見てもすばらしい大学だろうと思います。

Kyoka 「海内存知己 天涯若比隣」。あなたの友達が海外にいるとしても、いつでもあなたの隣にいると思いなさい、という意味です。

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。