活動・調査報告

HSI科目「北大フィールドサマースクール」を開講しました

サステイナビリティ推進機構SDGs事業推進部門は、Hokkaido Summerインスティテュートにおいて、学生・社会人等を対象とした科目「北大フィールドサマースクール」を、6月28日~30日に開講しました。本科目には事前に履修登録を行った社会人9名、北海道大学の学生9名、大学院生のTA(ティーチングアシスタント)3名、合わせて21名が参加しました。本科目では、ガイダンスと札幌キャンパスでの講義の他、余市町と苫小牧市でのフィールドワークを行いました。

6月28日(金)には、受講生たちは北海道ワイン教育研究センター棟で、サステイナビリティ推進機構 加藤悟 教授のガイダンスと講義を受けた後、農学研究院 曾根輝雄 教授の講義を受け、センター内の見学を行いました。受講者たちは、ワイン研究に代表されるように、北海道大学が広大なフィールドを活かした研究・教育を行っていること、学内外のステークホルダーと協働し地域の課題解決に貢献していること、そしてこうした活動が社会貢献を指標にしたTHEインパクトランキングで高い評価を得ていることなどの説明を受けました。

6月29日(土)には、受講生たちは午前中に、北海道大学余市果樹園を訪問し、ワイン用のブドウ、ハスカップ、りんご等が栽培されている様子を見学し、ワインの品質分析機の実演等を見学しました。午後には、受講生たちは平川ワイナリーを訪問し、平川敦雄氏からワイン用ブドウ栽培や醸造についての講義を聞いた後、農園でブドウ棚の整備やブドウの誘引作業、平川ワイナリーで醸造したワインの試飲をおこないました。受講生たちは一連の見学や体験を経て、ワインには単なるお酒としての魅力だけではなく、北海道が誇る各地の食や、地域の観光資源をつなぎ、地域に人を惹きつける力を持っており、ワインが北海道の地域の持続性を高める鍵となっていることを学びました。

6月30日(日)には、受講生たちは北海道大学苫小牧研究林を訪問し、苫小牧研究林長 中村誠宏 教授による講義を受けた後、森林資料館・森林記念館の見学を行いました。午後には、受講生たちは、苫小牧研究林の林内にバスで移動し、苫小牧の地質の特徴や研究林内で実施している調査・研究の紹介を受けました。その後、受講生たちは3つのグループに分かれ、毎木調査をベースにした樹木の胸高直径の測定と樹種の判定のワークショップに参加しました。受講生たちは、一連の受講内容を受けて、自然の力を利用して生態系と人間いずれにも利益をもたらす方法で社会的課題を解決するという「ネイチャー・ベースド・ソリューション(Nature-based Solutions:NbS)」という考え方を理解し、「モニタリングサイト1000」での生態系調査の理念である「長期間」「広い範囲」で調査することの重要性について学びました。

サステイナビリティ推進機構は、今後も学内外のステークホルダーと連携し、「持続可能な社会」の実現につながる教育・研究の取組・発信を更に進めていく予定です。

HSI「北大フィールドサマースクール」概要

開講期間: 2024年6月28日~30日
コース : グローバル・リベラル・アーツコース
対象  : 学生・社会人等
レベル : 学部
授業形態: 対面のみ
担当教員: 加藤 悟 教授 (サステイナビリティ推進機構)
      曾根 輝雄 教授 (農学研究院)
      中村 誠宏 教授 (北方生物圏フィールド科学センター)
      平川 敦雄 氏 (平川ワイナリー)   

平川ワイナリーでの集合写真(右端:平川敦雄氏)
苫小牧研究林での集合写真
28日、講義を行う加藤教授
28日、センター内を案内する曾根教授
29日、余市果樹園見学の様子
29日、平川ワイナリーでのフィールドワークの様子
29日、試飲したワイン
29日、ワインについて説明を行う平川氏
30日、講義を行う中村教授
30日、森林資料館の見学の様子
30日、ねずみの調査について説明を行う様子
30日、ピットフォールトラップの説明を行う様子
30日、毎木調査について説明を行う様子
30日、フィールドワークの様子