活動・調査報告
広島大学附属高等学校の生徒約200名は、修学旅行の一環で10月24日に北海道大学を来訪し、学術交流会館及びクラーク会館で行われた模擬講義を受講しました。生徒らは複数の模擬授業から1つを選択して受講することとなっており、サステイナビリティ推進機構 加藤悟 教授が担当した「ウェディングケーキと言えば、SDGs!?」と題した講義には、約40人の生徒・教員が受講しました。
講義は都市と自然が調和する札幌の魅力について説明するところから始まりました。その後、加藤教授は北海道大学が2023年度に策定した「HU VISION 2030」を紹介し、教育研究のExcellence(=卓越性)だけでなくExtension(=社会展開力)を重視しており、「持続可能なWell-being社会の実現」に貢献することを目標にしていると説明しました。また、こうした社会展開力を重視する背景として、前身である札幌農学校建学当時から受け継がれているクラーク精神があり、北海道帝国大学に発展していく過程で佐藤昌介先生の高い運営手腕が発揮されてきたことを説明しました。第二次世界大戦後に教育改革が行われましたが、もともと全人教育を推進してきた北海道大学が改革をリードしてきたことを講義しました。
次に、加藤教授は、2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development)」及び「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」について説明しました。本アジェンダは、国際連合に加盟する全ての国と地域が合意したものであり、SDGsが世界の共通言語となっていることに重要な意味があると説明し、SDGsの世界観である「世代を超えて(present and future generations)」「すべての人が(leaving no one behind)」「自分らしく(in larger freedom)」「よく生きる(well-being)」社会の実現を目指していることを説明しました。SDGsの17の目標だけでなく2030アジェンダがもつ世界観を理解して、自分で考えながら日々の行動を変えていくことが求められていると話しました。
講義の最後には「北海道大学サステイナビリティ宣言」の解説がなされ、「こうした世界観から、今日から自分ができるサステイナビリティは何か?」を記入する課題が課せられ、講義を受講した生徒らは各自が取り組むサステイナビリティについて考える時間となりました。


