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海しぶきによって海水から大気が移行する有機物の直接観測に成功 低温科学研究所 宮﨑 雄三先生

環境報告書2019より

宮﨑 雄三
低温科学研究所 助教

大気中の微粒子(エアロゾル)は、太陽光を散乱・吸収する他、雲の量や降水過程など気候に影響を与えます。エアロゾルに最大80~90%含まれる有機物が、海洋の表面からどのような影響を受けているかは、これまでほとんど情報が得られていませんでした。研究グループは、亜寒帯西部北太平洋で研究船を使い、海しぶきによって海水から大気へ移行する微生物由来の有機物の直接観測に成功しました。大気と表層海水を比較し、大気エアロゾル中では生物学的に分解されにくい腐植様有機物が著しく多く存在していることを発見しました。今後は、海洋の微生物が大気を通して気候変動へ与える影響の解明に期待がかかります。