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サステイナブルキャンパス国際シンポジウム2015 基調講演より ジュリー・ニューマン マサチューセッツ工科大学 サステイナビリティ・ディレクター

2015年12月3日に開催した国際シンポジウムの基調講演より

サステイナビリティと大学評価をつなぐ発展的枠組み

ジュリー・ニューマン マサチューセッツ工科大学   サステイナビリティ・ディレクター

北海道大学のサステイナブルキャンパス推進本部の方々の仕事に関しまして、遠くから敬意を表していました。さて1997年から2015年までに、私は3つのサステイナビリティ・オフィスの設立にかかわりました。今日は、私がMITにおいてサステイナビリティ・オフィスを設立した時にこれらの経験が、どのように影響しあったのかということ、それからキャンパスのサステイナビリティをどのような形で、将来的に発展させていくことができるかについて、お話ししたいと思います。

高等教育は、国レベルやグローバルなレベルでのイノベーションを推進する為の、そして、文化的規範を変化させる為の触媒となって来ました。そして多くの大学のキャンパスでは国際的なサステイナビリティの活動に関与し、リーダーシップを発揮する為、サステイナビリティ・オフィスを設立し、非常に高い、しかしながら達成可能なターゲットを設定してきました。

MITで私が行っている仕事に、MIT以前の経験がどのように影響したのか、これから答える4つの質問の形にして皆さんと共有したいと思います。1つは俊敏性です。キャンパスサステイナビリティは1990年代から発展して来ましたが、それを推進して来た原動力と、その背景がこの20年間にどのように進化してきたか疑問でした。どれだけの俊敏性をもって、新しい知識や新しい優先事項に応えられる機能を持っていたのかと言う事。2つめの質問は評価に関ることです。いわゆる標準的なサステイナビリティの評価手法が、どの程度まで科学的な研究や、エコロジカルな、そしてまた人の健康に対しての影響と、どこまでつながっていただろうかということです。3つめの質問はMITでオフィスを持った時のものです(評価の可能性です)。これは先ほども話しました。私の質問は、高等教育機関はどこまで再現性のある、計測可能な評価手法でキャンパスのソリューションを示してきたかということです。4つ目の質問は能力開発についてです。高等教育機関は、実際に自分たちのスタッフの能力開発に、どこまで投資をして自分の大学の内部から生まれてくる新しい知識、また技術をうまく活用することができるかということです。私はそのモデルを作り、4つの質問について列記しました。応用研究と計測可能な評価のための枠組み、そして影響の測定、また能力開発についても考えなければならないと思います。

MITで新しいポジションについたときに、私はこのような懸念について、なんとか解決しようとしました。今、皆様にお話ししたように、まず識別し、そして洗い出して、どの方向性をとることができるかと考えたわけです。成功したキャンパスモデルをどのように応用することができるだろうかとも考えました。そして2つのアプローチをとりました。そしてフレームワーク作りをしました。後ほど示したいと思います。

最初のアプローチは100人以上のMITの人達に対して、インタビューを試みました。MITのことをより理解しようとして質問をしたわけです。私達の相当する分野の俊敏性を測るためにもこれを3年から5年毎に繰り返したいと思っています。現状がどうであるか把握するためです。そして、私がMITに来ました時は大変にユニークな時期でした。と言いますのは、MITは27億ドルをかけて、施設更新をしようとしていました。新しいナノテクノロジーの施設を設計し、そして建築しようとしていました。たとえば100のエネルギー節減方策をとろうとしているにもかかわらず、新しい施設によって電気需要が25%以上も上がるという現状だったわけです。更に、2030年までに、施設も含めて15%もキャンパスが成長する計画がありました。どのような形でビルを建築し、エネルギー供給を行うべきかを考えるにあたり、大変に良い時期であったと思います。

また、私はMITで研究もするという意志もありましたので、いろいろな教授の方に意見を聞きました。もっとも頻繁に出てきたメッセージは「どうしてキャンパスがそんなに重要なのか?」です。「研究者としてはキャンパスのうんぬんよりも、大きな問題について解決をしなければならない時期なのに、なんでキャンパスがそんなに重要なのか?」というわけです。実際には、同じ課題、同じ問題を解こうとしているのではないか、あるいは行動様式の問題について解決しようとしていると言いました。これが、MIT内の人達と結びつくキーポイントだったのです。MITにおける独自の問題を認識し、その解決を測定するのが良いのではないかと説明しました。MITがサステイナブルキャンパスを推進し、それを測定するのがもっとも目に見える形でのtrueつの成功の証になると説得したわけです。同時にまず世界のレベルで、都市のレベルで、またキャンパスにおいてどのような状況になったか、についても考えました。MITにおいて何が起こるかとも考えました。どうすれば先進的なサステイナブルキャンパスを構築することができるか。たとえば世界の現状、都市の現状に照らし合わせて、どうすればそのようなキャンパスを構築し、同時に応用研究も続け、そして学生も勉強を続けることができるか、と考えてきたわけです。世界の状況や都市の状況、ケンブリッジやボストンにおける都市の状況、そして研究の役割やキャンパスの役割を検討しながらMITにおいてどんなプロセス作りを行ってきたかお話しします。

私どもの共通の前提は、既往の研究によりますと、環境によって与えられた生命に必須な自然のシステムが損なわれてきていることです。世界の人口がどんどん増え再生不可能な資源が消費され、生命に必須なシステムの持続可能性が保証できなくなっています。未来においても現在同様、質の高い生活を確保しなければなりません。同時に、地球のエコシステムと基本的な生命を支えるシステムに、悪影響を与えてはならないわけです。我々がもっている生活様式を維持することは、異なった文化、異なった都市においても共通の課題です。そのことを話し合うために私達はここにいるのだと思います。

世界各地から集まった指導的な科学者たちは、サステイナビリティ学の分野から、今でも適切な声明を発表しています。それは、2008年に発表された札幌サステイナビリティ宣言で世界が直面している課題が非常に複雑であり、その課題を解決するにあたって、大学が果たす役割は非常に重要だと言うことを述べています。

ニューハンプシャー大学 (UNH)のオフィス・オブ・サステイナビリティを創設し、私がこの分野でキャリアをスタートさせたのは1997年でした。その時は人口が59億人でしたが、現在ほど人口予測に注意を払っていた訳ではありません。2015年には73億の人がいます。しかしながら、地球のサイズは変わっていません。今から2030年までは毎年8,000万人の人口増加が見込まれています。その後2050年までは少し減って毎年6,500万人の増加。2030年までに、都市部の人間が世界の人口の70%になります。おそらく2050年において道路を走る車の数は25億台になると考えられています。そうしますと、今の生活の質を維持し、さらに向上させていくために、どのような形で都市を設計していくべきか、考えなければなりません。それにあたって、キャンパスはどういった役割を果たすことができるでしょうか。

しかしながら、同時に1995年から今までに二酸化炭素排出は36%増加しています。2050年までには80%以上排出を削減しなければならないと科学者は警告しています。時間があると思うかもしれませんが、35年しかないのです。そうでなければ悲惨な結末になります。

1997年から多くの私立大学が、この問題解決のために非常に努力しています。275以上の大学がこの温室効果ガスの削減目標以上の目標を掲げ、2050年までにカーボン・ニュートラルを目指しています。先日、81のリーディング企業がいわゆるホワイトハウス誓約、アメリカン・ビジネス・アクト・オン・クライメートに署名し、同じように200以上の大学もCOP21に向けて先週、署名しています。大きな企業も自分たちの企業活動に対して対策をとらなければ、将来、悲惨な結末になることを認識し始めたわけです。我々がパートナーとして、どのような形でどのような協力、あるいは関係をもって、同じ問題を解決するのかを、考えなければなりません。その中でキャンパスはどのような役割を果たすのかを考えなければならないと思います。

ケンブリッジ、マサチューセッツについて話を移します。MITに魅力を感じた1つの特徴は、ボストンの地域に57の大学があり、毎年25万人の学生が学んでいるわけです。この57の大学機関をどのように活用できるか提示できませんが、リソースと様々な知的財産、そして学生を活用しなければならないと考えております。どうすれば共通の課題があるか認識できるか、私どもは考えなければなりません。

MITはケンブリッジ市にあり、ケンブリッジ市にはイノベーションの地区もあり、大きな地域特性をもっています。市民のサステイナビリティについての意識も高く、MITは、2013年にハーバードとともに当時の市長とケンブリッジ・コミュニティ・コンパクト・フォー・ア・サステイナブル・フューチャーに署名しました。MITとハーバードにおいては、2035年までに建物からのCO2排出ゼロという宣言をしました。ブリティッシュコロンビア大学とバンクーバー市をモデルとして、ブリティッシュコロンビア大学のアドバイザーの人たちからのアドバイスを受けています。また市中心部のエコデイストリクトといったプログラムにも参加しています。大学のキャンパス内に留まることなく、キャンパス外にも進出し、大学、市当局、NGOとプライベートセクターが、このように同じプロジェクトに参加しているわけです。

ケンブリッジ市の気候の評価を行い、様々な課題が見えてきました。キャンパスだけではなく、都市部に対しても、またコミュニティにおいても評価を行いました。2030年における洪水のマップと、2070年における洪水のマップを示しました。2070年まで評価するということは大変困難ですが、極端な気候変化による脆弱性を見て取れます。また都市の熱環境分析も行っています。現在の温暖化が進むと、2070年にはかなり温暖化が進行するとわかります。しかし、対策はMIT単独にはできないわけです。気候変動が進んだ場合に、国、都市あるいは主要な大学は、気候変動がどのような形で経済活動や地域サービスの機能に、また人々の健康や生活に対して、影響を与えるかということも考え始めました。また全米気候評価報告書2014は、現在の気候変動による影響について報告しています。たとえば交通、エネルギー、食料、水の地域供給についても、悪影響が及ぼされることになるわけです。MITは現在、次のレベルの解析を行っており、MITの地域とのつながりを強めています。これからもこれらの情報を、共有したいと考えています。

世界の課題からケンブリッジ市、MITの抱える課題に目を向けてみます。課題は、どうすれば先進的で持続可能なキャンパスができるかと言うこと。現在の世界の状況や市の状況に応じて、市の最新の研究の成果を反映した将来構想の文脈の中で研究成果を広げつつ、学生の教育を強化しながらサステイナブルキャンパスをどう構築するのかと言う問いに集約されます。2013年、世界社会科学レポートが緊急声明を出しました。社会科学の領域において、それぞれがより効果的に関係分野の領域の人々と共同作業を行い、一緒になって問題解決をはかり、解決策を伴う知識をより深める必要性を強調しています。

2011年、『バイオサイエンス』にデスマーが出した論文ですが、科学の領域において、米国の生き残り戦略を進めるためのトップ40の優先事項を示し、非常に興味深い論文となっています。科学がどのように大学が欲する優先事項を示すのかということを理解する必要があります。この論文は、研究者に研究における意思決定を最大限に発揮することの必要性を思い起させます。特に限られた財源の中で、どうやって優先事項を掲げ、研究の影響力を全面的に押し出していくのかを考えていくことが必要です。学際的な研究課題40の優先項目の中に、人類の、地球の、そして生態系の変化に関する現在および将来の重要な意思決定に結びつくものが含まれているのです。

40ある優先研究課題について、2つ触れてみます。MITで私が融合させることを考える前は独立した課題でした。研究者達が示した1つは都市部の人の健康をより良いものにしていくための生態環境の管理戦略は複数あるかと言うものです。運営面からの質問です。もう1つは様々な経済的な行為と、それによっての便益、それをどうやって、生態環境を使うことにより、空間的・時間的に社会グループの間でうまく提供されるかを考えることです。

この質問は、どの様なメカニズムがキャンパスの目標を際立たせ、前進させて、数値評価できる解決案に、新しい知識をより良く結びつけることが出来るのかと言うことです。

先週のMITのキャンパスニュースに論文がありました。どうやってエネルギー効率を数値評価するかというものです。知見をうまくキャンパスにあてはめるというメカニズムはありませんが、この業界にあるたくさんの同様な技術を活用することを考えていく必要があるわけです。なかなか牽引力が得られないのですが、研究者を集めエネルギーマネージャーとうまくマッチングができないかを考えています。

私達のキャンパスの2つの例を示しましたが、私は研究者の皆さんが自身の研究や、その研究に関連した他の大学のキャンパスについて考えていることは理解しています。都市の将来の農業の例を挙げてみましょう。キャンパスの建物の南側の面において、様々な農産物をつくるということです。この様な実験の可能性をボストン市でも調査しています。この実験結果を活用してモデルを構築したいと思っています。都市中心部での自立的農業システムにどう結びつけるかが課題となります。

様々な構成要素を、どううまく合わせるかという段階となりますと、進化的なプロセスに入ったと言えます。ある学部の1人の研究者が、元々都市代謝理論の提唱者ですけれども、MITの構成要素に当てはめたマトリックス表を作りたいと考えていました。キャンパスへの形ある資源ベースのインプットをどうとらえ、形に表わせないシステム等のソフトベースのインプットを加えることができるのか、ということを考えていました。廃棄物等の、アウトプットがどれくらいなのか、産み出したものはどれくらいなのか、それらの影響を評価しなければなりません。そして、社会規範や交通システムのように組織が与える要素も含まれて来ます。MITが触媒として係わる上で、何が動きをもたらす因子なのか、問題は何なのかを考える必要が出てきます。サステイナビリティ・オフィスを活性化させ、持続可能なキャンパスを実現するために何が必要なのか、現在あるキャンパスの中の様々な経験をどう定義づけ、そして評価尺度として何を使うのか、投入された有形・無形の資源と成果及び統合化されたシステムをどう見るのかということです。

研究や特許を大事なアウトプットと認識し、卒業生、学術研究サイドにどの様な質問をし、大学運営サイドにその質問をわかりやすい形で伝えていくのかがMITのサステイナビリティ・オフィスの役目として、問われています。MITのサステイナビリティ・オフィスにおいては、都市代謝と同じ様に代謝するシステムとしてキャンパスを認識しています。

様々な代謝という形で見ていますが、様々な資源を使うだけでなく、どうやって還元していくのか、このケンブリッジ市に対して、そして人々の健康に、職員・学生にどう還元するかということです。

実際キャンパスについて一体何を知っているのか、という課題が残ります。実は評価尺度という視点では、十分にわかっていません。実際、建物のエネルギー使用量の60%しか測られていませんでした。部局のメンバーや他のメンバーと協働で、たとえば、MITの各建物のエネルギー使用量を減少させるためにモデリングシステムを作ろうとしたのです。エネルギーの使用、密度を確認するため

のシステムを作りました。どうやってデータを意味のある影響に結びつけるのかを考えたわけです。どのようなデータが使えるのか。今あるものは何なのか、これから必要なものは何なのか、見出そうとしました。正しいデータがあるのか、意味のある影響を考えるに至る十分なデータがあるのか、いろいろな課題があるわけです。

最後の課題は、MITはどのように、この持続可能性を定義しているかと言うことです。私達の調査では、持続可能性(サステイナビリティ)には37もの定義があり、MIT研究者、学部、学生によって異なる定義が使われていました。それぞれは正しい定義だと信じていたわけです。この調査によると、どの定義もキャンパスにとって適確なものではなく、すべて包含したものはありませんでした。私達が埋めるべき溝が、あった訳です。MITでは、これらの個別の要素を新しい枠組みに構成し直しました。私の使命は、MITを過去に存在しなかった、地球規模の変化をもたらす強力なモデルに変換することだと考えています。変換する力はMITキャンパスの中に存在する卓越した運営手法、教育、研究そしてイノベーションなど全てによってもたらされるものです。

私達は、MITの文化の特徴に対する理解と、キャンパス内外での持続可能性を進めるために必要なことを結びつける事を保証するような価値観を受け入れ、議論しました。MITの諸々の価値は、応用されたイノベーション、集合的な知、市民の責任、築かれたシステムを基盤として成り立っているものです。この価値は、スタッフ、ファカルティメンバー全員が共振するものでもあります。価値観を共通してもつことです。そしてまたインパクトの影響、尺度を考えるモデルをもつということです。どうやって連続的なブレークスルー、持続可能なソリューションを模索するのかということで、キャンパスを変換していく、都市を変えていく、そして世界を変えていくことに至るわけです。

この文脈の中でキャンパス、都市、地球、それぞれどこに人々がいるのかを考えながら、見ていくことです。「それは大学が面倒みてくれる」、「それは都市が解決してくれるだろう」とか「組織がやってくれるだろう」「グローバルリーダーがやってくれるだろう」ではなく、自分たちのやれる役割、自分たちがどこに位置するのかを理解し、枠組みの中でお互いが非常に密接な関係性をもっていることを、縦割の評価指標を超えて協働するためにも十分に把握してもらうことが重要であると考えています。私達の責任範囲が明快に定義づけされています。サステイナブルキャンパスシステムや、都市の中でリビングラボを進めて行くと言う希望によって責任範囲が決まるのです。私達のスタッフを何度も何度も教育し新しい知識が浮き上がってくるような能力開発やリーダーシップを育むことにより、新しい組織デザイン戦略を考案し、改良を加える必要があります。ライフサイクルコスト分析も考慮します。そして成功の為に皆、同じ言葉を話す必要があります。サステイナビリティ・オフィスの役割は、成功を保証することではなく、教員や学生の力を借りて、スタッフを教育することです。

協働的なパートナーシップをキャンパス、都市、そして地球というレベルで垣根を取り払ってやっていくことです。サステイナビリティ・オフィスはこの様に定義づけしなければなりません。自分たちの役割は、人、アイデア、データ、システムを結びつけるもので、どのように変化を促し、変化を続けさせるかというものです。キャンパスにおける相互作用は次の4つの領域に起ります。サステイナブルキャンパス、リーダーシップ、リビングラボ、協働的なパートナーシップです。キャンパス、都市、地球の各々のレベルを通じて、個々の要素の相互作用を導き出して行きます。

どのようにキャンパスも、都市も、世界も、協働して活性化するのかを描き出し、結論として皆さんの協力を呼びかけたいと思います。応用研究の評価の役割、影響を測定したいという気持ち、何回も反復する能力開発とはどのようなものなのかと。

キャンパスの問題に話を戻して結びとします。これらのキャンパスのモデルを作り、キャンパス、都市と地球を活性化するようにと皆さんに呼びかけたいと思います。今、地球温暖化の話し合いがパリでも行われています。各国が共同作業として、どのように地球規模で、より深く、相違する部分を考慮し、最大の貢献ができるのかを協働して決めようとステップアップしています。キャンパスの活用もまさに地球規模の目標を達成するために必要な地域化されたモデルであり、共有価値や解決策が見える化されるために、私達の文化的な文脈に位置づけられるものです。

キャンパスの課題は、どの課題に優先順位を与えるか、地域と一緒になって考える必要があると言う事です。ケンブリッジ市の優先項目は何なのか、札幌では何なのか、解決策を共有できる類似事項はあるのか、私達のキャンパスに関する優先課題の数々をどの位の期間で評価するのか描き出すために、地域と一緒になって議論する必要があります。私達は、優先課題を個別に、そして共同して追及し、地域レベルと地球レベルに関連づけて理解する必要があります。キャンパスの課題については、この20年間、大学が都市戦略を工夫し、試行し、実行して評価する計測可能な実験室として機能できる能力を獲得して来ました。

私が20年前にこの分野で仕事を始めた時は、サステイナビリティ・オフィスと言う言葉すらありませんでした。今日、サステイナビリティ・オフィスと言う言葉が、サステイナビリティプログラムを取り扱うオフィスを連携する役割のものとして使われ、この融合が、都市化された環境の中に人口の70%が居住する状況に焦点を合わせた対策になっています。私もMITの次世代のサステイナビリティ戦略に取り組んでいます。気候変動科学を進化させ、その結果を私たちのキャンパスに当てはめようとしています。私達はエネルギーとインフラストラクチャー技術を組み合わせたモデルを構築して試行しつつあります。また、太陽光、風力、地中熱などのカーボンフリー技術をキャンパスの中で試験的に運用しています。

私達の努力で、二酸化炭素の排出量を削減して生態系への影響を減らす取り組みの中に、最大のキャンパスユーザーである学生を取り込み、困難で複雑な挑戦目標を達成させようと試みています。

私達は今、長期の地球環境と人類の将来世代の健全性に対して、以後どのような経済的考慮をバランスさせていくか学んでいるところです。このことは、キャンパスの諸課題に関わる根源的な挑戦でもあります。

ご清聴ありがとうございました。