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環境条約の国内実施を調べる。大学院法学研究科 児矢野 マリ先生

環境報告書2013より

メガネをかけた女性

自動的に生成された説明

大学院 法学研究科 教授 児矢野 マリ

「まさにグローバル化が進んでいく今、環境問題は一つの国だけで解決できないものばかりです。たとえば、地球温暖化はすべての国が温暖化ガスの排出を抑えなくては対処できないし、海洋汚染は海流にのって広がります。このような環境問題に対処するために、国際法はどのような役割を果たすのか」。今という時代を見すえて疑問を掲げ、国際法を研究するのは、法学研究科の児矢野マリ教授です。

現在、児矢野教授が取り組む研究課題は「環境条約の日本における国内実施に関する学術的研究―国際・国内レベルでの規律の連関」。本学の他、上智大学、名古屋大学、神戸大学、甲南大学、東京大学などから、国際法学、行政法学、行政学など異分野の研究者が結集し、実証分析に基づいた統合的理論の構築をめざしています。

研究の第1段階では、先行研究を分析しその成果と弱点を整理するとともに、環境条約の国内実施に関する基礎的概念やモデル枠組を整理して、実証分析のための分析枠組・共通指標を構築します。異なる複数の学問分野の研究者による学際的共同研究のため、相互の問題意識を摺り合わせ、研究の理論的基礎をきっちり固めます。

第2段階では、大気系など9つの環境分野で、文献調査に加えて関連機関を訪問して担当者等のインタビュー調査を行います。これにより実態を把握・分析・整理し、討論を重ね、外部研究者らとの意見交換も実施。行政実務担当者や業界団体関係者らを講師に招いて研究会を開催し、その成果を研究にフィードバックさせます。最終段階では、条約事務局や国際機関における海外調査、関連国際会議への出席等を通じて、国際的実務の観点から論点を把握。国際連携を推進するため、海外の学術機関の訪問、国際シンポジウムの開催等を通じて、多様な専門家と意見交換を行います。