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燃料電池の効率を新触媒で上げる。触媒科学研究所 竹口 竜弥先生

環境報告書2013より

青いシャツを着た男性

自動的に生成された説明

触媒科学研究所 准教授 竹口 竜弥

世の中に広まってきた燃料電池には、まだ課題があります。現在、普及が図られている家庭用固体高分子形燃料電池システムでは、燃料極触媒に「白金―ルテニウム合金」が使用されていますが、燃料となる水素に含まれた一酸化炭素が触媒に悪影響を及ぼし、発電効率が低くなっているのです。

触媒科学研究所の竹口竜弥准教授のグループは、白金とルテニウムの混ざり具合(合金化度)を最大値まで高めることによって、高い触媒活性と安定性を示す電極触媒を開発。この新規合金触媒を用いることにより、水素に微量の一酸化炭素が含まれていても、触媒上で酸化除去され、高い効率での燃料電池発電が可能になりました。この触媒は、貴金属の使用量を少なくすることにもつながり、貴金属資源の有効利用を実現したとも言えます。また、白金原子とルテニウム原子だけでなく、他の分子についても完全に混ざり合った新規合金の開発が可能になることから、燃料電池に限らず、広くエネルギー環境問題へ寄与することが期待されます。

なお、触媒機能の高効率化の研究は、同研究所の朝倉清高教授、物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス拠点の魚崎浩平コーディネーターと共同で行われています。

ダイアグラム, 概略図

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