サステイナブルキャンパスの構築 campus management
Key Initiatives
キャンパスマスタープランに基づく取り組み
北海道大学は、1996 年度に国立大学初のキャンパスマスタープランを策定して以来、キャンパスマネジメントに継続的に取り組んできました。キャンパスの建築やランドスケープの資産を大切に受け継ぎながら、最先端の教育・研究が持続的に行える、サステイナブルでハイブリッドなキャンパスづくりを目指して日々努力しています。
1.建築 | サステイナブルな建築づくり

北海道大学では、持続可能なキャンパスの実現に向けて、サステイナブルな建築づくりを進めています。建築のリニューアルに際しては、積雪寒冷地ならではの工夫を凝らしながら汎用的な技術・設備を最大限活用することで、標準的なコストでZEB スペックを実現しています。また、本学固有の歴史的建造物の保存・再生にも力を入れ、環境と文化の両面からのキャンパスづくりに取り組んでいます。
- サステイナブル建築・ZEB 化の推進
ICReDD棟 (BELS 評価5つ星取得(ZEB Ready 相当)) - 歴史的建造物の保存活用
北海道ワイン教育研究センター(サステイナブルキャンパス賞2024 受賞) - 北海道大学のカーボンニュートラルに関する取り組み
2.生態環境 | キャンパスの生物多様性の保全

北海道大学は、広大なキャンパスや総面積約 70,000ha に及ぶ研究林など多様なフィールドを保有し、長年にわたり教育・研究・管理活動を積み重ね、生物多様性の保全に寄与して参りました。気候変動対策と生物多様性保全(ネイチャーポジティブ)の両立に向けた統合的なサステイナビリティの推進に向けて、2022 年6 月、国立大学としては初めて「生物多様性のための 30by30 アライアンス」に参画しました。
- 北海道大学のネイチャーポジティブに関する取り組み
- 北海道大学の生態環境に関する方針:「生態環境保全管理方針」
3.マネジメント | キャンパスの日常を支える

北海道大学は、約150 年にわたる歴史の中で教育・研究活動を支えるインフラの整備・運営を継続してきましたが、老朽化への対応が求められる段階にあり、計画的な修繕及び更新が必要となっています。このような状況を踏まえ、北海道大学が保有するインフラの維持管理・更新を着実に進めるため「インフラ長寿命化計画」を策定しております。キャンパスの日常を支えるためには、キャンパスマネジメントに関する日々の地道な取り組みが大切だと考えています。
- 北海道大学インフラ長寿命化計画
- これまでの活動・調査報告のアーカイブはこちら
4.共創・共育 | キャンパスを通じた創造

キャンパスマネジメントにおいては、建築や設備といったハード面の整備に加え、実際の人の活動に直結するソフト面の取り組みが不可欠です。北海道大学では、キャンパスを単なる空間としてではなく、共創・共育の場として位置づけ、学生・教職員・地域社会が相互に学び合い、価値を創出する環境づくりを目指しています。その一環として、キャンパスを活用した教育・研究活動、サステイナブルキャンパス評価システム(ASSC)の開発・運用、サステイナビリティレポートの発行など、ステークホルダー・エンゲージメントを重視した多様な取り組みを展開しています。
- キャンパスを活用した教育・研究活動
- 計画・設計特別演習Ⅰ(工)(サステイナブルキャンパス賞2019 受賞取組)
- 造園学実習(農)
- サステイナブルキャンパス評価システム(ASSC)評価結果と活用
- サステイナビリティレポートなどの公表資料のライブラリはこちら
history
日本のキャンパスマスタープランの草分け
北海道大学が1996 年度に策定した「北海道大学キャンパスマスタープラン96」は、日本におけるキャンパスマスタープランの先駆的な取り組みとして、全国的な注目を集めました。以来、長年にわたるキャンパスマネジメントを通じて、本学固有の歴史ある緑美しいキャンパスの継承とさらなる発展に力を注いでいます。
1996
キャンパスマスタープラン96 策定

2006
キャンパスマスタープラン2006 策定

2018
キャンパスマスタープラン2018 策定

archivement
これまでの主な成果
北海道大学は、1996 年にキャンパスマスタープランを策定して以来、長年にわたりキャンパスマネジメントに取り組み、多くの成果を積み重ねてきました。札幌農学校第二農場やサクシュコトニ川といった歴史的資産の継承・再生、環状通エルムトンネルの開通による南北キャンパスの一体化、北キャンパスにおける先端的学術研究拠点の形成など、キャンパスの歴史的価値と先端性を両立する取り組みを進めています。
1.継承
本学の緑豊かで歴史的価値のある美しいキャンパスは、教育・研究の場であると同時に、地域社会にとっても重要な資産です。この貴重な環境を持続可能な形で継承していかなければならないと考えています。
- 北大固有の緑豊かなランドスケープの保全・継承
- キャンパスマスタープランによるメイン通りのセットバック規制
- 生態環境保全管理方針によるゾーニング指定
- 第7回さっぽろ環境賞(2015 年)受賞
- 日本造園学会「北の造園遺産」認定(2010、2017 年)
- 歴史的建造物の保存・活用
- 札幌農学校第二農場(第8回耐震改修優秀建築賞(平成30年度)受賞)
- 農学部本館(第19回BELCA賞(平成21年度)受賞)

2.再生
サクシュコトニ川は、都市化の影響で水源が枯渇し、河川の一部が埋めれらた状態にありましたが、キャンパスマスタープランで再生が位置付けられ、2004 年、約半世紀ぶりにせせらぎが回復しました。自然環境の再生は、キャンパスの魅力を高めるだけでなく、自然との持続的な共生に向けた重要な取り組みです。

3.発展
本学では、歴史あるキャンパス資産の継承を重視しながら、世界トップレベルの教育・研究を推進するための環境整備にも力を入れています。北キャンパスでの先端研究拠点の整備や、イノベーション・コモンズ構築に向けた取り組みを通じて、大学のビジョン実現を支えるキャンパスづくりを進めています。

4.運営
本学のキャンパスマスタープランでは、建築・インフラといったフィジカルな計画要素だけでなく、それを実現・運用するためのソフト面の取り組みも重視しています。これまで、評価システムの開発や連携ネットワークの構築などを通じて、全国的にも先導的な役割を果たしてきました。
- サステイナブルキャンパス評価システム(ASSC)の開発・運用(2013年~)
(サステイナブルキャンパス賞2015 受賞取組) - 国内外の連携ネットワークの構築(例:CAS-Net JAPAN設立 発起人)
